「タルカス」より「ネリベル」
この佐渡盤
収録の「タルカス」だが、全体的に安全運転気味であると感じた。藤岡盤では、過重な負担を強いられた管楽器の不安定な演奏を弦楽器がなんとか支えつつも乗り切った感があったが、このシエナの場合は吹奏楽のオケ、コケたら最後。慎重になるのも無理はないよなあ...などと同情しながら、次のネリベルの「二つの交響的断章」を聴きはじめたのだが、これはなかなかエキサイティング。はじめて耳にする作曲家だったので、すこし調べてみたところ、吹奏楽では有名であり、コンクールでも課題曲としてとりあげられる作曲家であるらしい。CDの解説には、「佐渡にとって、"青春の響き"だったのだ」とあり、その思い入れの深さがうかがえる。
ふむふむ...このCDをリリースした意図が見えてきたぞ。佐渡氏は、このダイナミックレンジの広いネリベルの名作をより高音質に収録・リリースしたかったのだ。タルカスの管弦楽版の人気にあやかれば、割高なSACDでも企画は通るだろう。ついでにバッハの有名な曲も入れとけば、収録時間も問題ないしな...
この佐渡&シエナ版のタルカスは、プログレの吹奏楽版のためではなく、吹奏楽におけるブログレのために製作されたCD....つまり、メインは「タルカス」ではなく「ネリベル」なのだ...
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