クラシックギターのCDの解説って...
レコ芸3月号が発売されましたね。実は気にしていたことがありました。それは以前の記事でとりあげた益田正洋氏の新譜のレビュー。さっそく読んでみると...最初のレビューは「推薦」としていますが、やはり歯切れの悪さを感じます。あくまで推測ですが、私は、今回のCDの企画はレギュラーのレビュアーであるこの浜田滋郎氏の肝入りでなされたものと考えていました。それだけにこのCDが今回どのように解説されているのか...興味津々だったわけです。残念ながら期待していた出来でなかったため、このような文章となったのでしょう。おまけに後半は自分の書いた当該CDの解説をそのまま(多少の省略はありますが)載せています。これってどうなの?と思いませんか?公平なレビューじゃないですよね?こういう場合は別の人が批評すべきでしょう。原稿料もディスカウントしてほしいところです。そもそも、クラシックギターのCDの解説ってこの人ばかりじゃないですか。他の人はいないのですかね。新人を起用したらいかがでしょう。業界のしがらみでもあるのでしょうか...日本のギター業界にとっては「良い方」なので誰も批判しないのでしょうね...多分本当に「ギターを愛する良い人」なのだろうと思います。そのせいなのかもしれません。批判するより仲良くしたほうがよいと業界の方々は考えているのでしょう。ところで...もうひとりの浜田氏は「準」としていました。これが妥当な評価というべきでしょう。
確かに益田氏がこれまでにリリースした作品群は、常に新しい世界を切り開いてきたものばかりといっても過言ではないでしょう。現行のものでいえば、異なる世代の20世紀の作曲家の作品を意欲的に組み合わせた2枚目。あまり演奏されなかった楽曲に新たな光を当てた3枚目。そして単なる上級者の練習曲としてしかとらえられてこなかった作品に生命を吹きこんだ4枚目。いずれの試みも大きな成功を収めたといえるでしょう。
しかし...今回のCD、曲の冒頭から、これまでと違うなと感じていました。爪が弦を弾くときのノイズが気になったのです。ちょっと指先が震えている。ふつうならそれほど気にならないポジション移動の際の擦弦音もそうです。テンポも微妙に揺れているような。どうも不安定な印象がぬぐえないのです。この重苦しい雰囲気は何なのでしょう。これって同じ人?別人が弾いているようです。ベストコンディションをキープしていたのでしょうか。やはり次作に期待です。
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