Ton Koopman:Toccata und Fuge BWV 538 "dorisch"
KoopmanのこのCDがでたとき、まず驚いたのが有名な「トッカータとフーガ」のトッカータ冒頭部分でした。「こんな弾き方ってありかよ」と思わず突っ込んでしまったのは私だけではないでしょう。※ココで聴けます。
でも、このCDでの一番のお気に入りは「ニ短調」の方ではなく、「ドーリア調」のほうのトッカータとフーガの「フーガ」の部分。※ココで聴けます。これもトッカータのほうはすっ飛ばし、何度も聴いたものです。しばらく、邪道な聴き方なのかと悩んでいたところ、あとでBachのフーガの中でも最も優れた作品のひとつに数えられるという解説を読み、安心したことがありました。トッカータの方は曲の形式を整えるための単なる前置きみたいなものなのでしょう。
ともすれば、あっさり弾きすぎているのではという誤解もあたえかねない演奏ですが、きびきびとしたテンポで弾きすすまれ、各声部のメロディラインがきっちりと聴こえてきます。明快な音を出すオルガンも手伝って、曲自体の面白さがしっかり引き出されています。まさにKoopmanのような「名手」しかできない優れた演奏といえるのではないでしょうか。
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