益田正洋:Hommage To Segovia
5枚目のCDがリリースされることを彼のwebサイトで知りました。発売日が迫り、Fontecのサイトで試聴ソースがアップされました。そのとき感じたことは、インパクト不足かなということでした。すこし躊躇はしましたが...とりあえず買ってみることにしました。
このCDに関し、感じたことは大きく分けて2点ほどありました。まず1点目、なんとなく全体的に沈んだ雰囲気があるように思いました。私はよく彼のブログをチェックすることがあるのですが、脱力系というか...とぼけた味があってけっこうなごみます。演奏家なのに音楽ネタがほとんどなく、毎日食事の話とそのスナップばかり。まあ、それはいいのですが...気になるのは体調の話です。よく風邪をひいたりするようです。過去にはコンサートのキャンセルもあったようです。今回は収録時のコンディションがすこし悪かったのではないかということです。2点目は、このプログラムをあえて彼が弾く必然性があったのかということです。彼はギター界の革新者としての役割をあたえられたひとだとおもうのです。何より従来と同じことをするのを好まないタイプとみています。肩に力を入れずともすうっと新しいことを自然にできてしまう実力を備えています。本来の彼であれば定番のレパートリーを弾くときでも何か新鮮なアイディアを盛り込むはずです。残念ながら...今回のCDは過去の大演奏家のプログラムをそのまま弾いているように聴こえました。収録時間約73分という大変お徳用なCDではありますが、四半世紀前と今とは時代が違います。聴き通すのは個人的に正直つらいものがありました。一曲ずつ聴くぶんにはいいのですが...
最初にホマドリームのサイトでスケルツィーノを試聴したときは、はっとする美しさを感じたものですが...彼にはもっと豊かなアイディアがあるはず。それを生かすような作品をつくりつづけて欲しいのです。他の演奏家であればこんな感想を述べることはなかったでしょう。これまでの出来があまりにも良かったために...思わずきついことを書いてしまったようです。大変失礼しました。次作も必ず購入しますのでよろしくお願いします。
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